〈ドキュメントであり、バラエティ〉
番組説明には、同い年の3人に「40歳から50歳まで」10年間密着した人生ドキュメントバラエティとありますが、とんでもない番組でした。
この番組の企画・制作者である藤井健太郎さんかXで告知されていた
「特別な3人の話ではあるけれど、いち生活者としての話にもなっているかと思います。是非ご自身のこの10年、40歳から50歳、そして人生とも照らし合わせながら見ていただけたらと思います。」
この言葉どおり、いろいろなことを考えさせられました。
〈シンプルイズベストな構成に脱帽!〉
まず、芸能人のプライベート公開しちゃいまーす!みたいな、バラエティのりの演出が一切なく、3人の人生が、淡々と紹介されてゆく潔さ。
記録する人(藤井さん)とされる人の信頼があるからこそ成り立つ、溢れでる本音とリアルな生活のみ。
シンプルに塩でどうぞ!な板前スタイルです。
そして、そのVTRをスタジオで見る10年後の
お三方。自分の過去映像は、ちょっと照れ臭そうに。他の2人のVTRは、興味深く。これだけでも
贅沢なつくり。
3人のクロストークはあるものの、
シンプルな構成で進んでいく…。
3者3様は、もちろんですが、途中、コロナの
閉塞した空気感をとらえていたり、
自分の10年と照らし合わせながら、
見てしまいました。
〈時代と走る淳✖️時代をガン見ジュニア✖️時代そのものな有吉〉
新しいもの好きで、好奇心旺盛な淳さん。10年前のイケイケで尖った感じがご家族ができて、表情も優しくなり、顔つきが、一番変わったかも。
ジュニアさんは、とにかく感度が高く、気になる芸人に早くから、オダウエダやロングコートダディの名前が。さすが、関西大喜利番組「座王」のMC。お笑いに熱く、楽屋で勉強したりする、努力家の一面も。
誕生日は、1人で過ごしていた有吉さん。
最後、妻と子と柔らかい表情で過ごす誕生日には、グッときた人も多いのでは。
途中、仕事を悩みながら整理したり、初心にかえったり。スタジオでは、さらりと上島さんにふれた場面も、心にささりました。
3人とも「家族ができて良かった」と語るのも素敵。
人生が凝縮されていて、時間の重みに圧倒されました。当たり前だけど、VTRに出てきた芸人さんたちや3人の家族。それを追い続けた 藤井健太郎さんにもそれぞれの10年があり…。
最後、3人がバラバラに帰る姿も、「また10年後ね」の合図にも感じて…。
「はぁー良いもの観た!」と思わずつぶやきたくなる、誰かと語りたくなる番組。
まだまだ、テレビって可能性ありますね。
そして、次の10年観察、自分も含めて、楽しみ。
書いた人/とみこ